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うさぎの不養生日記

うさぎの不養生日記

創傷治癒に関して

日記にも書きましたが、改めてフリーページにきちんと紹介させていただきます。創傷治癒に関しては、今までと常識が変わりつつあります。というか、昔に戻ったというべきか。皮膚科の先生方は何年か前から、おっしゃっていたのですが、創に消毒は必要ないというやつです。
病院に毎日通院して、消毒して、ガーゼ交換をすると、創が早くそしてきれいに治るという神話がきっとあるのだと思いますが、実はそれは間違いです。病院に受診される自体は間違いではありません。創に砂などの異物が入っていないか、骨や靱帯には異常がないかのチェックも必要なので。ただ、汚い創でなければ、毎日せっせと消毒に通う必要はありません。実は。
私が小さい頃には、怪我をしたりすると、水道水でよく洗ってから絆創膏をしていました。風呂に入る時にはそのまま洗って絆創膏を新しく貼りました。当時は赤チンなるものがまだ生産されていたので、つけていましたね。絆創膏はそれ以外のときは汚れない限り、ほうっておいたという記憶があります。
どちらのほうがいいのでしょうか。汚い創でない限り、昔ながらの治療法で十分ということになってきました。
消毒すると、せっかく自分の体から、創を治すために集まってきた細胞(おもに白血球)や物質(血小板や白血球から出る物質など)を根こそぎ退治してしまいます。また創がむき出しになり、一からやり直しになります。せっかく、かけた皮膚を修復しようと準備していたら、材料も職人もみんないなくなってしまったわけです。つまり、治癒にかかる時間はどんどん長くなります。本当です。
このことを知らない頃は、『何で、こんなに真面目に通院しているのに、治りが悪いんだろう』と思っていましたが、確かに、真面目に通院しない人の方が治りがいいこともあるのです。もちろん、創にばい菌が入ってしまって汚い時は話は違います。真面目に通院するように言われた人は通院してください。
だから、創は消毒するものではなく洗うものなのです。そして、汚い創でなければ、毎日せっせとガーゼを変えて乾燥させる必要はないのです。いえ、乾燥させてはいけないのです。今は、創は洗って、水分が逃げない絆創膏をして、その絆創膏がはがれるまでは交換しないというのが多いです。
あと、縫合した(縫った)創の場合、以前は糸がある間は、濡らさないのが原則でしたが、2,3日したら、そのまま入浴してもいいということになってきました。以前の常識がひっくり返るというか、その以前のに戻るというのも不思議ですが本当なのです。
絆創膏も、創にあたる部分にガーゼがついて乾燥のために通気穴が開いているのが一般的でしたが、乾燥させると自分の体から動員された免疫細胞たちが働けないので、湿潤環境にするのが正しいようです。そのため、創を密封し湿潤環境にする絆創膏が出回っています。普通に薬局にもあるので次回、ドラッグストアに行く機会があればチェックしてみてください。私が知っている範囲ではジョンソン&ジョンソンから発売されています。
ただ、汚い創や、分泌物が多い創の場合は、しょっちゅうガーゼ交換が必要でないように、吸収性の高いガーゼを使用することもあります。そういうときは病院のほうがいいでしょう。もちろん、出血している創や縫合が必要な創もそうです。
これから、病院に行かれたときに、そういう絆創膏やガーゼを貼られて『今度はガーゼが汚れてきたら、来てください』といわれても、そういうことなのでびっくりしないでください。ちなみに、私は、子供さんを持つお母さん方には、時間に余裕があれば簡単に説明をするようにしています。


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